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口呼吸から鼻呼吸へしましょう。歯並びへの影響

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こんにちは巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。私は豊島区の幼稚園や保育園でよく歯科講話をしております。今日は講話調にお子様でもわかりやすく口呼吸と歯並びの話をいたします。

講話:「口呼吸をやめて元気な体をつくろう!」


みなさん、こんにちは!今日は、お口のお話をします。みんなは、「口呼吸(くちこきゅう)」って聞いたことあるかな?今日は、「口呼吸」って何か、そして、口呼吸をするとどんなことが起きるのか、みんなで一緒に考えていきましょう!鼻から息をする「鼻呼吸(はなこきゅう)」に戻して、もっと健康で元気な体を目指すためのお話です。


1. 口呼吸(くちこきゅう)ってなあに?

みんな、呼吸って知ってるかな?息(いき)を吸ったり吐いたりすることを「呼吸」っていうよね。お鼻から吸うことを「鼻呼吸」、お口から吸うことを「口呼吸」っていうんだ。実は、ぼくたちの体は本当は「鼻呼吸」をするようにできているんだよ。でも、ときどきお口を使って呼吸をしてしまうことがあって、これを「口呼吸」といいます。

口呼吸になってしまうことって、みんなにもあるかな?

たとえば、風邪(かぜ)をひいたとき、お鼻がつまって苦しいから、お口で息をすることってあるよね。これは一時的だから、それほど問題はありません。でも、気がつかないうちに「いつも口で呼吸するクセ」がついてしまうと、体にいろんな影響(えいきょう)がでてくるんです。実は、口で呼吸すると体によくないことが起きるんですよ。


2. どうして口呼吸をしてしまうの?

じゃあ、どうして「口呼吸」になってしまうんだろう?その原因(げんいん)を考えてみましょう。

(1) 鼻がつまっているとき

鼻がつまると、息を吸うのがむずかしくなります。鼻が詰まっていると苦しいから、お口で息をするしかない時もあります。例えば、風邪や花粉症(かふんしょう)で鼻が詰まっていると、どうしても口呼吸が増えてしまいますね。でも、鼻が治ったあとも、癖(くせ)になってしまって、そのまま口で息をする習慣が残ってしまうことがあるんです。

(2) 歯並び(はならび)の問題

たとえば、前歯(まえば)が出ている「出っ歯」や、下の歯が前にある「受け口」といった歯並びの場合、くちびるをしっかり閉じにくくなります。そのため、自然にお口が開いてしまって、口呼吸になりやすくなるんです。だから、歯並びも口呼吸に影響(えいきょう)しているんですよ。

(3) 口の周りの筋肉(きんにく)が弱い

今の食べ物は、柔(やわ)らかいものが多くて、あんまり噛(か)む必要がないものが多いよね。そのため、お口のまわりにある「筋肉」があんまり使われずに弱くなっていることもあります。筋肉が弱いと、口を閉じる力も弱くなり、口がぽかんと開いたままになりがちです。そうすると、知らないうちに口呼吸が癖になってしまうんですね。


3. 口呼吸を続けるとどうなるの?

さて、みんなは「口呼吸を続けるとどんなことが起きるのかな?」って考えたことはありますか?実は、お口で息をし続けると、体にいろんな悪(わる)い影響(えいきょう)が出てしまうんです。ここでは、いくつか大切なポイントをお話しします。

(1) 風邪(かぜ)や病気(びょうき)にかかりやすくなる

みんなの鼻の中には、鼻毛(はなげ)や粘膜(ねんまく)というものがあって、これは小さなフィルターのように働いています。フィルターというのは、空気をきれいにする働きです。鼻で呼吸をすると、空気の中にあるほこりや細菌(さいきん)をきれいにしてくれるんだ。でも、口で呼吸をすると、このフィルターが使えないから、ほこりやばい菌(きん)がそのまま体に入ってしまいます。だから、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザなどの病気にかかりやすくなったりするんです。

(2) 口の中が乾燥(かんそう)して虫歯(むしば)や歯周病(ししゅうびょう)の原因になる

口で息をしていると、口の中の唾液(だえき)がすぐに乾いてしまいます。唾液は、虫歯や歯周病を防(ふせ)ぐ大事な働きがあります。唾液は、細菌(さいきん)を洗い流して、お口の中をきれいにするんです。でも、口呼吸をすると唾液が乾いてしまい、虫歯や歯周病になりやすくなります。

(3) 睡眠(すいみん)に悪い影響が出る

みんなは「いびき」って聞いたことあるかな?寝ているときに、お口を開けていると「いびき」が出やすくなります。口を開けていることで、舌(した)やあごが重力で下がり、息がしにくくなることがあるんです。これを「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」といって、夜中に息が止まることがあるんです。しっかり眠(ねむ)れないと、朝にすっきり起きられなかったり、日中(にっちゅう)に眠くなってしまったりしてしまいます。

(4) 歯並びが悪くなる

口呼吸をしていると、舌が下がってしまい、本来(ほんらい)の正しい位置に歯を支えることが難しくなります。舌が歯の支えになっているため、口呼吸の習慣(しゅうかん)があると、歯並びが悪くなりやすくなるんです。とくに、あごの骨(ほね)が成長(せいちょう)している時期のお子さんには、口呼吸を続けることで、歯並びが悪くなる原因(げんいん)にもなるため注意が必要です。

(5) 顔(かお)の形に影響(えいきょう)が出る

口をいつもぽかんと開けていると、顔の筋肉(きんにく)が十分(じゅうぶん)に使われず、顔の形が変わってしまうこともあります。特に、成長期(せいちょうき)のお子さんでは、口呼吸を続けると顔が細長くなってしまったり、ほっぺたがたるんだりすることがあります。これを「アデノイド顔貌(がんぼう)」と呼ぶこともあります。顔の筋肉がしっかり発達するためには、鼻で呼吸をして、顔全体(ぜんたい)をしっかり使うことが大切なんですね。


4. どうやって口呼吸を治すの?

では、「口呼吸」を治して「鼻呼吸」にするためにはどうしたらいいのでしょうか?いくつかの簡単(かんたん)な方法を紹介しますので、みんなも今日からできることをやってみてくださいね!

(1) 日中(にっちゅう)に鼻呼吸を意識する

日中は、できるだけ口を閉じて、鼻で息をすることを心がけましょう。おうちの人と一緒に「ちゃんと鼻で息をしているかな?」と確認(かくにん)し合うのも良いですよ。おうちの人に「ポカンと口を開けていない?」と声をかけてもらうだけでも、少しずつ意識(いしき)して鼻呼吸ができるようになります。楽しくゲームみたいにすると、続けやすいかもしれませんね!

(2) 夜(よる)寝るときに口にテープを貼る

寝ている間も口が開かないように「サージカルテープ」や「鼻呼吸テープ」というものを貼る方法もあります。このテープを貼ると、寝ている間に口が開かず、自然に鼻呼吸をするようになります。少しずつ慣れてきたら、テープを使わなくても口が閉じられるようになりますよ。

(3) あいうべ体操で口の周りの筋肉を鍛える

あいうべ体操」は口呼吸を治すための楽しい運動です。「あ~」「い~」「う~」「べ~」と声を出しながら顔の筋肉をしっかり動かします。最後の「べ~」では、舌(した)をめいっぱい前に出してみましょう。これをくり返すことで、口の周りの筋肉や舌の筋肉が鍛(きた)えられ、口を閉じやすくなります。毎日少しずつ続けると、効果が出てくるよ!

(4) 硬(かた)いものをしっかり噛む

普段の食事(しょくじ)では、できるだけよく噛むことを心がけてみましょう。噛む回数を増やすと、顔の筋肉が鍛えられ、自然と口を閉じやすくなります。また、昆布(こんぶ)やするめのような硬いおやつを噛むのも良いですね。噛むことで口の周りの筋肉を鍛えることができます。風船ガムを膨(ふく)らませたり、シャボン玉を吹いたりする遊びも筋肉を鍛える良い方法ですよ。

(5) 舌の正しい位置を意識する

みんなの舌は、どこに置いているか気にしたことはありますか?舌の正しい位置は、上の前歯の少し後ろの「上あご」についていることが理想です。舌が下がってしまうと口が開きやすくなり、口呼吸になりやすくなります。舌を上に置いて、鼻呼吸を意識することで、自然に口呼吸を治すことができます。


5. まとめ

今日は「口呼吸」についてみんなにお話ししました。口呼吸を続けると、風邪をひきやすくなったり、虫歯になりやすくなったり、顔の形が変わったりと、いろいろな体の問題(もんだい)が起きてしまうことがわかりました。

 

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