ヴェリ歯科クリニック
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本物の歯のようにセラミック治療をしたい方に知っておきたい3つの知識

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こんにちは巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

『最近差し歯のセラミック治療をしたんだけど思ったより気に入ってないんだよね。』や『もっと本当の歯のような差し歯を作りたい』という意見をよく聞きます。ヴェリ歯科クリニックではなるべく本物のような歯、芸能人のような天然の歯のような差し歯を求めている方に知っておきたい3つの歯科知識をお話しいたします。実際に当院の治療症例を参考に天然のような歯を作る工程をお話しいたします。

芸能人のような自然な歯を作るための3つの知識を知ってください。

歯の構造

歯は顔や目や髪などと同じで人それぞれ異なります。歯の形を知ることで天然のような仕上がりを作れます。

1. 隆線(リッジ)

前歯の表面には微妙な隆線、つまり細かな盛り上がりがあります。特に真ん中に向かって走る垂直のラインが特徴的です。このラインがあると、歯が立体的に見え、光を受けたときに美しい陰影が生まれます。

2. レッチウス条

歯の成長過程で刻まれる細い横線で、前歯に顕著に現れます。この線は、近くで見ると感じられる程度ですが、微妙なテクスチャーが表面にあることで、本物らしい深みを出す役割を果たしています。歯が生き物の一部であるような感覚を与えるものです。

3. 周波条(ペリキマタ)

前歯の表面には、細かい横線(ペリキマタ)が並んでいます。これがあることで、歯の表面に自然な陰影が生まれ、滑らかすぎずにリアルな歯の印象を持たせることができます。特に光の反射で微妙に陰影が変化し、健康でしっかりした歯の印象が与えられます。

4. エナメルの透明感

前歯の先端部分は他の部分に比べて薄いため、少し透明感が出ます。この透明感があると、光を透過する部分と反射する部分のコントラストが生まれ、歯の自然な美しさを引き立てます。加齢に伴いエナメルの透明部には破折ライン(クラック)を再現させることでより年にあった差し歯を制作できます。

5横走隆線

前歯のリアルな表現に欠かせない要素として、横走隆線も重要です。これは、前歯の表面に横方向に走る細かいラインや盛り上がりのことで、特に若い歯に多く見られます。横走隆線があることで、歯の表面が単なる平らではなく、立体的な奥行きを感じさせ、自然な質感が強調されます。

光の加減によってこの横走隆線がほのかに浮かび上がることで、歯がより「生きている」ような印象を与えます。前歯全体の質感が一層自然に見え、歯の健康感や本来の美しさが引き立ちます。

本物の歯にそっくりな差し歯を作りたいとき知っておきたいセラミック治療のこと

歯のサイズ

歯の縦横比や縦の長さ、笑った時の歯の見える長さなど歯のサイズを知ることで天然に近い歯を作れます。

歯のサイズやバランスを検討することで見た目が自然な歯を作ることができます。歯のサイズを参考にするにはステファン・チュー(stephan chu)先生の論文を参考に歯を形を決めます。

ステファン・チュー先生の提案する「歯のサイズの考え方」は、審美歯科や補綴治療で「美しい笑顔を作るためのガイド」としてとても参考になります。簡単に言うと、「歯のサイズや形を顔全体の調和を考えながら決めることで、より自然で美しい仕上がりを目指す」というものです。

1. 黄金比や比率でバランスを取る

まず、前歯の大きさや配置のバランスをとるために「黄金比」といわれる数学的な比率を参考にします。中央の前歯(中切歯)が一番大きく、その次に隣の側切歯、そして犬歯と少しずつサイズが小さくなっていくと、自然な流れができて美しく見えるんですね。この比率が整っていると、ただ歯が並んでいるだけでなく、全体に「調和感」が生まれるのです。

2. 歯の幅と長さのバランスも重要

歯の幅と長さのバランスも意識します。例えば、「前歯の幅の80~85%の長さが理想的」と言われますが、これは幅に対して長さがありすぎても短すぎても、違和感を感じさせる可能性があるからです。この比率が適切だと、自然で健康的な見た目になります。短すぎると少し子どもっぽく見えたり、長すぎると少し不自然に感じることがあるんですね。

3. 顔全体との調和を考える

さらに、顔の大きさや形に合った歯のサイズや配置も大切です。例えば、顎が細い方や逆に顔がしっかりした方では、同じ歯の大きさでも見え方が違います。チュー先生は、患者さんの顔全体のバランスも見ながら、笑ったときに自然に見えるサイズや形を考えることを提唱しています。この考え方のおかげで、歯だけでなく、顔全体が引き立つ仕上がりが目指せます。

歯の色

前歯の色は部位によって微妙に異なり、例えば切端(先端部分)は少し透明感があり、歯茎に近い部分は黄味がかった色合いが強く出ます。また、隣接面(歯と歯が接する側面)は光が当たる角度が異なるため、わずかに影ができることもあります。さらに、年齢を重ねるとエナメル層が薄くなり、内部の象牙質の色が表面に映りやすくなるため、歯全体が黄色みがかる傾向にあります。差し歯や人工歯を作成する際は、こうした天然歯の色の変化を細かく再現するために、ステイニングと呼ばれる色づけを行います。これにより、周囲の天然歯と調和し、より自然でリアルな仕上がりになります。

ヴェリ歯科クリニックでの差し歯の症例

初診では左前歯(左上中切歯)を綺麗な差し歯西田愛とのことで来院されました。画像では確かに右上の前歯と違い平坦な形と感じられます。なるべく綺麗な歯を作るため参考に右上前歯の構造、サイズ、色を解析しシンメトリーになるようデザインすることが中切歯では一番大事です。

差し歯の治療左上前歯術前
仮歯を制作セット ここから歯茎の立ち上がりや噛み合わせなどを確認する)

術後の写真です。左上前歯(中切歯)も歯のテクスチャー、色、サイズともに良好な結果を得ることができた。

 

患者さんは20代女性で左上の前歯を綺麗な差し歯治療をしたく当院へ来院されました。参考にした反対側の歯の構造を真似しつつバランスを整えて差し歯を作りました。仮歯でもなるべく本物の歯に近いものを取り扱っております。

治療期間

2ヶ月

治療費

仮歯 1万円〜  差し歯 ジルコニアレイヤードセラミッククラウン 15万円(税別)

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