ヴェリ歯科クリニック
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抜歯と言われてもあきらめないで!グラグラの歯を助ける新しい治療「ブルーラジカル」

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~ひどい歯周病や歯槽膿漏にも、やさしく効く治療があります~

「この歯はもう抜くしかありませんね」
そんなふうに歯医者さんで言われたことがある人はいませんか?

とくに、歯がグラグラしている歯ぐきから血や膿(うみ)が出ている口の中がにおうなどの症状がある人は、進んだ歯周病になっている可能性があります。

でも、あきらめないでください。
最近では、できるだけ歯を抜かずに治す新しい方法が出てきています。

今回はヴェリ歯科で扱ってる「ブルーラジカル」と呼ばれる新しい治療について、紹介します。


昔からの治療:薬や道具で歯周病菌を取りのぞく

歯周病は、歯のまわりにたまったばい菌のかたまり(これをバイオフィルムといいます)が原因で、歯ぐきの中がはれてしまう病気です。

これまでの治療では、「スケーリング」や「ルートプレーニング」という方法で、スケーラーという器具や超音波スケーラーで歯石やばい菌をこすり取るのが基本でした。

また、抗生物質(ばい菌を殺すお薬)を歯ぐきの中に入れることで治すこともあります。けれども、これらにはこんな心配もありました:

  • 薬がきかない強いばい菌(耐性菌)ができることがある
  • お薬がバイオフィルムの奥まで届かないことがある
  • 長く使うと副作用が出ることもある

そこで登場したのが、光と水の力でばい菌をやっつける、ブルーラジカルという新しい考え方です。


ブルーラジカルってなに?光と水でばい菌をこわす技術

ブルーラジカルは、3%の過酸化水素水(うすいオキシドール)と青いレーザー光を使ってばい菌をこわす方法です。

仕組みはちょっと化学的ですが、かんたんに言うと:

  • 405nm(青色)のレーザー光を過酸化水素水に当てると
  • 「ヒドロキシルラジカル」というとても強い殺菌成分が出てくる
  • それがバイオフィルムの中まで入りこんで、ばい菌を破壊する

という流れです。

この方法には次のような良いところがあります:

ブルーラジカル
  • 薬を使わないので、耐性菌ができない
  • 手術をしなくても治療できる(低しんしゅう)
  • 歯ぐきの奥にあるばい菌にもしっかり届く

予防大国スウェーデンの先生も注目!科学で確かめられた治療法

このブルーラジカルは、スウェーデン・イエテボリ大学に関わる弘岡先生も高く評価しています。

2017年に発表された研究(Kannoら、Scientific Reports)では、次のような結果が出ています:

  • 抗生物質を使った治療よりも、ポケットの深さや出血が減った
  • 治療のときの痛みやつらさも少なかった
  • レーザー+過酸化水素水の組み合わせが、一番効果があった

また、2019年の研究(Nakamuraら)では、インプラント(人工の歯根)にばい菌がついてしまったときも、ブルーラジカルでチタンの表面をきれいにして、骨をつくる細胞がまたくっつくようになったという報告もあります。これによりインプラントの炎症(インプラント周囲炎)にも有効だとわかりました。


他の薬とのちがいは?目に見えるくらい効果が違う!

昔から使われている消毒薬、たとえばクロルヘキシジンポビドンヨードなどは、バイオフィルムの表面だけしか殺菌できないことがあります。

でも、ブルーラジカルは違います。
ばい菌のかたまりの中まで入りこみ、しっかり殺菌することが、研究でもグラフでも示されています。

これは、まるで「表面しか洗えないお風呂掃除」と「カビの根っこまでしっかりとれる掃除」のちがいのようなものです。


歯を抜かずにすむかもしれない!やさしい新しい治療

ブルーラジカルは、まだ日本では一部の歯科医院だけで行われている新しい治療法です。

でも、「もう歯を抜くしかない」と言われた方にとって、歯を残せるチャンスになる可能性があります。

もちろん、すべての人に使えるわけではありません。歯のぐらつきの状態や、歯の周りの骨の量などを見て判断する必要があります。

それでも、「なるべく歯を残したい」「手術はできればしたくない」と思っている方には、試してみる価値のある方法です。


ブルーラジカル1〜2歯1万5,000円(税別)

巣鴨ヴェリ歯科では、こうした体にやさしい、最新の科学に基づいた治療を取り入れています。ポケットが深い箇所1箇所1〜2歯は1万5,000円(税別)で行ってます。4歯以上8歯程度は3万円(税別)、それ以上と細菌検査込みは5万円(税別)でおこなってます。

まずは患者さまの歯茎を検査しブルーラジカルがお勧めかどうかご提案いたします。ブルーラジカルをしなくても問題ない健康な方もいますし、ブルーラジカルをしても抜歯を免れない方もいますのでまずは検査をした後にご提案させてください。

歯を抜くかどうかは、一度抜いてしまったらもう戻りません。

ですから、他の方法があるかどうかをしっかり調べて、その上で治療の選択肢を一緒に考えることが大切です。

「抜歯」と言われた方も、まずはお気軽にご相談ください。


※参考にした研究:

  • Nakamura et al., Scientific Reports, Nature, 2019
  • Kanno et al., Scientific Reports, Nature, 2017
  • Rosling et al., J. Clin. Periodontol., 2001
  • Magnusson et al., J. Clin. Periodontol., 1984

ヴェリ歯科クリニックではブルーラジカルの他にもエルビウムヤグレーザーを使った歯周治療も行っております。

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