こんにちは巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。本日は当院でもおこなっているフッ素イオン導入についてお話しします。
効率的に硬く丈夫な歯を作るフッ素イオン導入法
「フッ素入り」の歯磨き粉を選ぶ方は多いですが、フッ素には歯を修復し、強くする力があります。特に小さなお子さんの虫歯予防に効果的です。生えかけの永久歯は弱く簡単に虫歯になりやすくなります。この時にフッ素を吸収すると虫歯になりにくい歯質強化された永久歯になります。
高濃度フッ素の浸透
当院の最新機器ナルコームのピュオキュアを使用すれば、高濃度フッ素を分子レベルまで電気分解し、歯の深部にまで効果的に浸透させることができます。一般的なフッ素塗布に比べ、エナメル質だけでなく内側から歯全体の質を向上させます。これによりお子様だけでなく大人の方でも十分にフッ素を吸収することができます。
フッ素導入法の手順
- フッ素の電気分解:フッ化ナトリウム溶液を専用トレーに滴下します。このトレーは電気分解することでフッ素が取り込まれます。
- 専用トレーの使用:トレーに薬液を入れ、歯にくわえます。微弱な電流を流してフッ素を浸透させます。
- フルオロアパタイトの形成:トレーを加えた状態で上3分下3分合計6分でフッ素が水や酸に溶けにくい丈夫な結晶を形成し、虫歯に強い歯を作ります。
衛生的なトレー
使用するトレーは完全滅菌された使い捨てタイプですので、非常に衛生的です。電極版があり通電できるタイプです。
痛みのない治療
痛みを伴わず短時間で終了するため、どなたでも安心してご利用いただけます。特に乳歯から永久歯に生え変わる小中学生におすすめですが特におすすめなのは大人の方です。子供は塗布するフッ素に対してもある程度効果がありますが大人の方にフッ素を塗布しても成熟してしまった歯はそこまでフッ素を取り込みません。イオン導入でフッ素を大人の歯の内部にフッ素を取り込むためにはイオン導入は欠かせません。
歯科医院でできる予防歯科
家庭用のフッ素入り歯磨き粉では効果が限定的です。クリニックでの高濃度フッ素とイオン導入法により、フッ素を効率的に歯の深部にまで浸透させることで、高い虫歯予防効果が期待できます。400mAで上の歯3分、下の歯3分たった6分で治療は完了します。
フッ素イオン導入は4ヶ月に1回がお勧め
フッ素イオン導入は年に3~4回が目安です。しかし、日々のブラッシングや食生活の工夫が虫歯予防には欠かせません。口腔内の環境を整えることで、フッ素の効果を最大限に引き出せます。pmtcやレーザーpmtcで日頃から歯のケアをお勧めします。
フッ素イオン導入がおすすめな方4タイプ!
①ホワイトニング後はフッ素取り込み量UP
ホワイトニング後はエナメル質が一時的に弱くなるため、フッ素イオン導入を行うことで、効果的にフッ素を取り込み、歯の強化を図ることができます。
②3、4ヶ月に一度のpmtcや定期検診メンテナンス後にフッ素導入
フッ素の取り込みは3ヶ月に1度が効果的と言われてます。pmtcや定期歯科健診のクリーンニングついでにフッ素を取り込むことはとても効率的と言えるでしょう。
③知覚過敏の方
フッ素イオン導入法は知覚過敏の原因になる象牙質内のフッ素濃度を高め、象牙細管内の微小球状構造物を作って象牙細管を封鎖または狭窄することで、象牙質知覚過敏症の症状を軽減すると考えられます。この微小球状構造物は主にフッ化カルシウムとフルオロアパタイトから成ると推測されます。
フッ素イオン導入法は、フッ素の象牙質内浸透を促進し、象牙質知覚過敏症の治療に有効なので知覚過敏の方がフッ素イオン導入をすることでしみるなどの症状が軽減します。
④永久歯生え変わりのお子様
生え変わり時期のお子さんの歯は虫歯になりやすいため、フッ素イオン導入は非常に有効です。普段の口腔ケアと併せて、ぜひこの方法を取り入れてください。大切な歯を一生涯守るために、フッ素イオン導入法をご利用ください。
フッ素は歯に塗ったらだめ?
いいえ。フッ素は歯に塗ることでエナメル質を強化し、虫歯予防に役立ちます。特に歯科医院でのフッ素塗布は高濃度で効果が高いため、積極的に行うべきです。フッ素イオン導入は通常塗布のそれよりも取り込み量が多いです。一部のニュースでフッ素は毒なので塗るべきではないという方もいますが過剰なフッ素、例えば高濃度のフッ素をがぶ飲みするとか毎日高濃度フッ素を歯に塗りつけるなどをすれば班状歯という歯にぶつぶつができるようなものができますが日常生活で滅多にありません。適量のフッ素を塗布するくらいは問題ありません。
大人の歯にフッ素は意味ない?
いいえ。大人の歯にもフッ素は有効です。フッ素はエナメル質を強化し、虫歯を予防する効果があります。年齢に関係なく、フッ素を適用することは虫歯予防に効果的です。大人の歯こそイオン導入で多く取り込むことをお勧めします。
フッ素の効果はいつまで?
フッ素塗布は3ヶ月に一度が理想的です。歯医者での高濃度フッ素(9000ppmF)の効果は約3ヶ月持続します。虫歯のリスクが高い場合は1〜2ヶ月の頻度が推奨されますが、1ヶ月以内の頻繁な塗布は歯のフッ素症のリスクがあります。フッ素塗布は歯質の強化、再石灰化の促進、虫歯菌の抑制に効果的です。永久歯が完全に形成されるまで(小学校3、4年生まで)は特に注意が必要です。3ヶ月に一度のフッ素塗布で虫歯リスクを大幅に減らすことができます。
イオン導入でフッ素を歯に取り組む
イオン導入法は、フッ素を分子レベルで歯の内部に浸透させる方法です。この方法により、フッ素がエナメル質の深部にまで到達し、虫歯に強い丈夫な歯を作ることができます。クリニックでのみ行えるこの手法は、特に効果的です。
イオン導入って怪しくない?についてお答えします。研究結果
フッ素イオン導入法による永久歯う蝕予防の臨床実験的研究では、小学1年生の男子で虫歯発生率が48.5%抑制される結果が出ました。また、小学4年生の女子では50.6%の抑制効果が確認されました。これらの結果は、フッ素イオン導入法が特に小学生の虫歯予防に非常に有効であることを示しています。
また、南カリフォルニア州歯科医師会の研究では、イオン導入法を用いることでフッ素のエナメル質への浸透が向上し、酸に対する抵抗力が増加することが確認されました。この研究では、フッ化錫やフッ化ナトリウムを用いた場合、イオン導入法により耐酸性が大幅に向上することが示されました。
まとめ
生え変わり時期のお子さんの歯は虫歯になりやすいため、フッ素イオン導入は非常に有効です。普段の口腔ケアと併せて、ぜひこの方法を取り入れてください。またお子様だけでなく大人の方でも虫歯になりにくいお口環境を整えるために3ヶ月に1度のフッ素取り込みをお勧めします。
ヴェリ歯科ではフッ素イオン導入を3千円(税別)でおこなっております。
大切な歯を一生涯守るために、フッ素イオン導入法をご利用ください。