前歯の美観を損ねる白い斑点、通称「ホワイトスポット」の対処法
ホワイトスポットという用語は耳にしたことがありますか?
こちら上の症例はホワイトスポットをダイレクトボンディングと呼ばれる治療法で改善した症例です。
時折、鏡で自分の笑顔を見た際に、歯に残る白い斑点が目につき、これが虫歯の初期症状か、あるいは他の損傷かと気になりますよね。これらの歯に見られる白い点や斑、不透明な部分を「ホワイトスポット」と呼びます。健康上の害はほとんどありませんが、特に前歯にできた場合には、笑顔の際に目立ってしまうことがあり、見た目の問題として気にされる方も多いです。
症例20代女性
初診で見られた20代の方のお写真です。
まずは右上の前歯のみ治療を行いました。
別日に他の治療も希望されていたので1時間ほどで施術いたしました。無麻酔で全て完了しました。
治療費 1歯3万円(税別)✕ 6歯 =18万円
ここでは、ホワイトスポットに対する効果的な治療オプションと、これらの白い斑点を取り除きたいと考えている方へのアドバイスをご紹介します。
ホワイトスポットの起源
この現象の背後にある主な理由は「脱灰」というプロセスです。これは、歯の内部の結晶構造が変化し、ホワイトスポットが形成されることを意味します。
ホワイトスポットの形成には主に以下のような原因があります:
- 幼少期のエナメル質形成時の問題: 幼い時期や母親が妊娠中に経験する栄養不足や遺伝的要因などが影響します。エナメル質の形成に必要なカルシウムやリンが不足すると、子供の歯にホワイトスポットが形成される可能性があります。
- 高濃度フッ素の摂取: 幼少期からの高濃度フッ素の摂取は、ホワイトスポットを含む特定の歯の問題を引き起こすことがあります。特にフッ素濃度が高い水道水や誤ったフッ素製品の使用が原因で起こり得ます。
- 幼少期の外傷: 幼い時期に歯が受けた外傷が原因で、歯の結晶構造が変わり、ホワイトスポットが現れることがあります。
- 虫歯の初期段階: 虫歯の始まりとして、歯のミネラルが失われ、その後酸によって侵される過程でホワイトスポットが形成されます。
ホワイトスポットの治療法
- ホワイトニング: 小規模なホワイトスポットには、歯全体をホワイトニングすることで、色の差を減少させ、目立たなくすることができます。MIペーストと組み合わせることで、歯のミネラル補給と白さの向上が期待できます。
- ティースマニキュア: 歯に直接マニキュアを施すことで、ホワイトスポットを隠す方法です。しかし、マニキュアは一時的な解決策であり、数週間で剥がれる可能性があります。
- コンポジットレジン: 歯の表面をわずかに削り、そこにプラスチックを貼り付ける方法です。色の変化のリスクはありますが、比較的歯を温存できる治療法です。
- ラミネートベニア: 歯の表面を薄く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付けることで、見た目を美しく仕上げる方法です。
- アイコン: 歯を削らずに、プラスチック成分のコーティング剤を塗布します。しかし、この方法は歯の表面を特別な処理で準備する必要があり、経年劣化による再施術の可能性があります。アイコンを塗布する前に専用の塩酸溶液で歯をザラザラ(脱灰)にさせることで歯にコーティング剤をくっつきやすくします。
- MIペースト: 必要なミネラルを補給するために、ホワイトスポットに直接MIペーストを塗布します。即効性はありませんが、長期間にわたる使用で改善が期待できます。しかしホワイトスポットの原因が虫歯由来の初期虫歯であれば効果はありますが先天的なエナメル質の小柱構造の乱れが原因の場合は効果は期待できません。
ホワイトスポットでお悩みの方は、是非これらの治療法を参考にしてみてください。
当院では上記全ての治療法を用意していますが多くがダイレクトボンディング治療を希望されています。
ダイレクトボンディングは1歯3万円〜5万円で行っております。
まずはカウンセリングにて歯の色や構造の資料を写真にて記録します。必ずしも全ての方にダイレクトボンディングが無理ているわけではないため当日での施術は行なっておりませんが希望の方はその旨予約時にお伝えください。
施術後可能で可能であればいつでもいいので1ヶ月以内に研磨(艶出し)手直しにおいでください。自費用コンポジットレジンといえど多少術後収縮するため磨きをかけるとなお綺麗な状態が保てます。