MENU

本物の歯にそっくりな差し歯を作りたいとき知っておきたいセラミック治療のこと

こんにちわヴェリ歯科クリニック院長田島です。

こちらの歯の中で差し歯が一つあります。

一体どこの歯でしょう?

『正解は、、、、写真で見て真ん中左側の歯です。右上1番です。』

綺麗な歯を作りたいけど白すぎるのは嫌だし。いかにも差し歯って感じも嫌だなあ。

天然の歯にそっくりな歯を作りたい方に知っておきたい前歯の治療についてお話しします。

前歯を本物の歯そっくりな差し歯に作るために知りたいこと

前歯を本物そっくりに作りたい方に知っておきたい3つのこと、そして実際に作るために歯医者さんがやる大事な3つのことをまとめました。

前歯の形を知る。透明なところ、そうでないところ

上の図は3Dで顔の立体的な部分を描いたものですが、歯も同じで立体的な構造を知る必要があります。

歯は上14本下14本親知らずを入れると32本。

全ての歯で同じ形の歯はありません。また上前歯6本は特に特徴があり、また個人によって歯の形も異なります。

真ん中前歯(中切歯)に関して言うと歯の根元部分の色は黄色味がかっており形は丸みを帯びます。中央に向かうに従い円形から平坦になります。また先に従うに連れ白みから透明色が多くなります。

歯の先っぽ(切端)の構造マメロンを知る

矢印のところをよく見ると白いモヤモヤしたところがなんとなく透明な層に覆われていると思いませんか。

これがマメロンと言います。光に当たることで見えたり見えなかったりします。

もう少し細かく見てみましょう。下の図の白い部分からだんだん透明になる部分がマメロンと呼びます。

マメロンは個人差があり透明感が強い方、白身が強い方また通常中央より3本の白い帯が出ていますが個人によって2本の方、ない方などいます。

差し歯を作る場合、コンポジットレジンで前歯を治療する場合はマメロンの形に注意しながら作ります。

極力隣の歯の特徴を知る(ホワイトバンドなど)

こちらの画像からコントラストを強くして色味をなくします。歯の構造を知るために色や明るさコントラストを調整します。すると

こんな感じ。

歯の形が現れてきます。右上の差し歯は左側の歯の形を参考にして製作します。

左側の歯の根元に白いうっすらとした帯が見られます。

これをホワイトバンドと呼び歯の構造上見られるものです。これにも個性があり、ホワイトバンドがない人もいます。

ホワイトバンドも参考にしてわざと作ったりして天然の歯にそっくりなようにします。

よかったらこちらのブログも参考にしてください。

前歯を本物そっくりな差し歯に作るために

それでは前歯をそっくりな差し歯にするにはどんな必要があるか、私なりに要点をお話しします。

写真を撮りまくります。(口腔内写真撮影)

写真はすべての証拠になります。歯をどれくらい削ったか。削り残しはないか。また歯の色はどんな色を使った方がいいかだけでなく光の当たり方により上から、下から横からといろんな角度で写真を撮ります。

実際に治療中はうまくいったと思っても写真を見てみると思わぬことに気づいたりします。

写真を見ながら修正することでより完成度の高い治療が行えます。

 

歯科技工士とたくさん情報を共有します。(コミュニケーション情報伝達)

写真だけでなく患者さんのリクエスト(前歯を中に入れたい。笑った時に少し出したい。前歯2本だけ強調させたい。)もある程度取り入れます。

これ以外にも綾瀬はるかのような歯にしたい。紗江子みたいに。。。

また噛み合わせの与え方。咬合器上の歯の前歯の当たり方、アンテリアガイダンスについて

差し歯をつける歯茎のコンディション。歯茎が黒いや紫など。

このような情報を歯医者、歯科技工士、患者の三人で共有しなければなりません。

場合によっては歯科技工士さんが患者さんと話し合ったりすることも重要と私は考えています。

仮歯が大事なんです。(プロビショナルレストレーションの重要性)

まずはこの写真をみてください。

上の写真は仮歯を入れた状態。下の写真は差し歯を入れた状態です。

仮歯の形がほぼ同じことがおわかりでしょうか。

そうです。仮歯の形を前もって煮詰めることで患者さんが納得のいく差し歯が作れます。

よく仮歯が汚くて差し歯になった途端綺麗になったんだけど、いまいち気に入らないってこと。

あるんです。

これは仮歯の段階でこんな歯が入ることが予想できていないからおこる問題点です。

また仮歯の段階で歯茎のコンディションを整えてあげることも大事です。そして仮歯をデュプリケイト(読み取り作業)することで歯科技工士さんにも仮歯や差し歯の情報が伝達されます。

現在は光学印象の開発で患者さんのデータがオンラインで技工所に転送されます。

まとめ

天然の前歯に似せた差し歯を作ることは前歯を4本、6本作るより大変です。

これは周りの歯の特徴を知らなければいけないからです。

4本6本の歯を削って白くするだけなら統一感のある歯ができることでしょう。

なぜなら他の歯の色や特徴を参考にしなくていいからです。

多くの歯を削って差し歯を作るより天然の歯に近づける技術の難しさわかっていただけたでしょうか。

しかし治療する歯が1本であれ6本であれ仮歯や写真、技工士さんとの情報共有はとても大事だと私は思っております。