こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
歯科と口元の関係は切っても切り離せないほど関係深いんです。
普段ダラーっと口を開いている方、口元がだらしないと感じてしまう方必見です。1日数回のストレッチで口周りの筋肉を鍛えてスッキリした口元を作りましょう。
今回は口元と歯科との関係とストレッチ法をお話しします。
口元の筋肉
『あ』『い』『う』『え』『お』
大きく口を開けて入ってみてください。
この時口周りの沢山の筋肉が働いています。筋肉は一つだけでなくそこにある複数の筋肉が連動して働き口元を動かしてます。
ところで私たちが普段食事をしてものを噛んだり口を開閉口したりする筋肉は咀嚼筋とよばれてますが、咀嚼筋は顎周りを動かす筋肉です。
口元の筋肉はこの咀嚼筋よりも皮膚に近い表層にある部分にあります。
総称して表情筋といいます。
表情筋は皮膚の真直下にありますので筋肉がたるんでいたり、普段あまり使っていないとこの状態が直接表情としてみてとれ、無愛想とか、ムッとしているんじゃないかとか悪い印象を持たれる場合もあります。
表情筋は咀嚼筋と比べると複数の筋肉がいろんな走行に走って形成されています。
その中でも歯科ととても関係のある表情筋の一部を紹介します。
①口輪筋
口輪筋は字のごとくリップの周りに円を描いたように走行している筋肉です。口をすぼめたり唇を前に出す時に使う筋肉です。
トランペットなどの管楽器奏者はこの筋肉が発達しているようです。
普段口をダラッと開けている方、口呼吸の方、噛み合わせが開咬(前歯が噛んでない方)は口輪筋がうまく使えない傾向にあります。
②口角下制筋
口角下制筋は口元の下に左右あって下唇を下に引っ張る筋肉です。歌舞伎の方のかぶいた状態を想像してください。下唇が下がっている感じは口角下制筋を十分使っているなと感じます。
口角下制筋が強すぎるとマリオネットラインというシワ(マリオネット人形の口元から)が目立つようになります。
③上唇挙筋
上唇挙筋は鼻の左右鼻翼(鼻の穴)の横にある筋肉で上唇を上に引っ張る筋肉です。笑ったりする時に使う筋肉です。
この筋肉が発達しすぎると笑った時に上唇だけ異常に上がった、引きつった笑い方になってしまいます。
このような笑い方は俳優のエルヴィスプレスリーが特徴的だととアメリカの歯科医は言っています。
https://wallpaperscraft.comより引用
口元の筋肉は上と下の筋肉の引っ張り合い?
口元の筋肉は口輪筋をサークルの中心として放射状に着く筋群から構成されてます。
口唇より上の筋肉には上唇挙筋、口角挙筋などの挙筋群。口唇より下の筋肉を口角下制筋、オトガイ筋などの下制筋群。
これらは唇を上にひっぱたり、下にひっぱたりして口唇を動かしてますが、各々の筋肉はそれぞれ引っ張りあって均衡を保っています。
それゆえどちらかが発達していなかったりどちらかが強く発達していると均衡が崩れます。
例えば挙筋群より口角下制筋が強く発達しているとマリオネットラインが強調されやすく、上唇挙筋が強く発達していると笑った時に鼻の穴も開くような笑い方をします。
つまり上下お互いの筋肉がそれぞれバランスを保つことが綺麗な口元を作ります。
表情筋と噛み合わせの関係
噛み合わせの治療をしたり、前歯の治療をしたり、また入れ歯を作ったりと歯科治療した噛み合わせの高さが適正でない場合、表情筋に影響が出てきます。表情筋は皮膚や粘膜に近い場所に存在するので私たちの見た目でも簡単にその変化がわかります。
噛み合わせが高い場合
噛み合わせが高いと常に口を閉じている状態を保つことが難しくなります。
そのため故意に唇を閉じるよう意識するので筋肉に緊張状態が続きます。
口を緩めると歯が常時見える状態が続きます。
噛み合わせが低い場合
噛み合わせが低い場合マリオネットラインやほうれい線が目立つようになります。また口角が常にキレやすくなります。噛み合わせが低くなると筋肉は力を必要以上活動するので咬筋が異常に発達して歯にダメージが出やすいです。
噛み合わせがどちらかにずれている場合
噛み合わせの平面である咬合平面がどちらかに傾いていると表情自体もどちらかに傾く傾向があります。笑った時に例えば片側の口角が上がりやすかったり、片側の下制筋が発達するような表情をします。笑い方もぎこちない印象を受けます。
表情筋ストレッチ
ここで簡単なストレッチ法をご紹介します。噛み合わせが原因で表情筋が緊張している場合もあるので気になるようであれば一度歯医者さんで受診をお勧めします。
しかし普段の表情筋を鍛えることで口元をスッキリさせたり、バランスのとれた口周り筋肉を作ることができます。
くれぐれもやりすぎにご注意しておためしください。
①アイウエオの『う』の形に口をすぼめてください。チューっと唇を出すと効果的です。
②アイウエオの『い』の形を作ってください。(実際に声を出しても良いです。)
③『う』『い』『う』『い』と5〜10回繰り返してください。
④『う』の状態に戻り尖った口先のままで円を左回りで5周かいてください。
。
⑤今度は逆回転右回り5回かいてください。このセットを1〜3セットしてみてください。終了です。
まとめ
口角下制筋や上唇挙筋、はそれぞれをバランス良く鍛えてあげることが重要です。上の筋肉ばかり、下の筋肉ばかりで意識せず両方の筋肉を口輪筋とともに鍛えてあげましょう。
噛み合わせによって改善する場合もあるということも覚えておいてくださいね。