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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、もはや「太った男性」だけの病気ではありません|いびき・睡眠歯科コラム

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「いびきがうるさい」「昼間眠くて集中できない」――これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサインです。これまで、SASは中高年の肥満男性に多い病気とされてきましたが、最近では「痩せ型の女性」にも増加傾向があることが分かってきました。

2025年4月15日放送の日本テレビ「ZIP!」では、まさにこの「女性の睡眠時無呼吸症候群」が特集され、話題を呼びました。


女優・西村知美さんも診断|眠気や倦怠感がサインかも

番組では女優の西村知美さん(54)が、自身も無自覚のうちにSASと診断されていたことを告白。「昼間の眠気や疲れやすさ」を感じていたものの、まさかSASとは思わなかったと語っています。

特に女性の場合、「いびき」や「無呼吸」などの目立つ症状が出にくく、代わりに「集中力低下」「起床時の頭痛」「倦怠感」などあいまいな症状で現れるため、見過ごされるケースが多くなります。


「痩せているのになぜ?」女性ホルモンと睡眠質改善の関係

SASは肥満だけが原因ではありません。もともと気道が狭い方もいますし、歯並びのせいで舌のスペースが足りなく奥に下がいってしまう方もいます。西村さんは舌が人より長く舌根沈下しやすかったためと言われてます。番組に登場した医師によれば、**女性ホルモン「プロゲステロン」**が深く関係しています。このホルモンには喉の筋肉をしっかり保つ働きがありますが、更年期以降に急激に分泌が減少することで、気道が狭まり、SASを発症しやすくなるのです。

結果として、痩せ型の女性でも睡眠の質が落ちる・いびきが出る・無呼吸になるということが実際に起こっています。


SASを放置するリスク|眠気・高血圧・心疾患にも

睡眠時の無呼吸は、一晩に数百回も起こることがあり、そのたびに酸素不足に陥ることで脳や心臓に負担がかかります。これが進行すると、

  • 高血圧
  • 心疾患(不整脈・心筋梗塞)
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 日中の強い眠気による事故リスク

など、命に関わる合併症のリスクが高まります。
また、睡眠の質の改善がなされないまま日常生活を送ることで、仕事や家事のパフォーマンスにも影響を与えるのです。


いびきアプリや検査機器でセルフチェックも可能

近年では、**いびきアプリ(例:いびきラボ、SnoreLab)**を使って自宅でいびきの記録をとる人も増えています。こうしたツールは、自覚しにくい無呼吸の兆候を可視化できるため、初期段階での気づきに役立ちます。

とはいえ、最終的には**医療機関での検査(AHI=無呼吸低呼吸指数の測定)**が必要です。


睡眠時無呼吸用マウスピースとは?下顎を6mm前に出す効果

治療として有効なのが、「睡眠時無呼吸用マウスピース(スリープスプリント)」です。
この装置は、就寝時に下顎を前方に出して装着することで、舌根や軟口蓋の沈下を防ぎ、気道を確保する仕組みです。

たとえば、下顎を6mm前方に出す(誘導する場合)、舌や喉の空間がしっかりと広がり、いびきや無呼吸が大きく改善されることがありますが使用後顎に違和感を覚えやすいです。一方で2mm程度前に出す場合(誘導)では快適な使用感が得られますが効果が薄くなる可能性があるため、一人ひとりの顎の動きや骨格、筋肉の緊張状態に合わせた設計が必要です。


保険と自費のマウスピースの違い|1ピース型と可動型

現在、睡眠歯科領域では2種類のマウスピースが主に使用されています。

保険適用のマウスピース(1ピース固定型)

  • 顎の動きが制限されるが、保険適用のため費用負担が少ない(3割負担で1万円前後別途初診代や諸経費がかかる)
  • 主に、連携医療機関からの紹介で製作可能
  • AHI(無呼吸指数)測定結果により適応が判断される
  • ヴェリ歯科でも提携機関と連携し、製作をサポートしています

自費診療のマウスピース(2ピース可動型/SomnoDentなど)

  • 上下別々に装着できるため、顎の運動が可能
  • 下顎の動きを維持したまま自然な睡眠が可能
  • ヴェリ歯科では3dプリンターマウスピースを30,000円(税抜)ソムノデントマウスピース135000円(税抜)で提供しています(自由診療)

睡眠の質を高めるために|「いびきは病気のサイン」

「寝ても疲れが取れない」「朝から頭が重い」など、日常の些細な変化も、実は睡眠時無呼吸が原因のことがあります。

いびきはパートナーの睡眠妨害になるだけでなく、ご本人の命にも関わる深刻な問題です。
睡眠の質改善の第一歩として、まずは「自分の睡眠状態を知る」ことから始めてみませんか?


ヴェリ歯科の睡眠時無呼吸治療|いびき・マウスピース相談受付中

ヴェリ歯科クリニックでは、保険・自費両対応のマウスピース治療を行っていますがまずはご自身の睡眠の質が良いか悪いかご自身で判断せず医療機関に行ってみるのも悪くありません。ヴェリ歯科ではフィリップ社の睡眠検査キットを貸し出しております。

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  • AHI測定やスクリーニング検査にも対応してます。フィリップ社製貸し出し8000円(税抜)
  • 女性患者さんからの相談も増えています

**「いびき」「睡眠時の無呼吸」「寝ても眠い」**など、気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
「良い睡眠は、健康の土台」です。

▶ 詳しくはこちら:https://veridental.com/sas

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