こんにちはヴェリ歯科クリニックの院長田島です。今回は歯の根の治療についてお話しします。
突然ですが歯の神経の治療がうまくいかず何回も治療している方、抜歯に至った方いらっしゃいませんか。
マイクロスコープを使うと治療効率が上がり完治率が上がります。
2009年、かつてアメリカでは90%の根管治療医が使っていたマイクロスコープ(歯科用の顕微鏡)。一般の歯科医でも50%の歯科医が使用していたがでは日本ではどれくらいの歯科医がマイクロスコープを導入していたでしょう。
マイクロスコープ導入率日本 2.5% 2009年
それから12年経ちましたがそれでもマイクロスコープをもつ50%以下が現状でまだ導入している歯科医院は少ないと言われます。
ではマイクロスコープで何ができるのか。マイクロスコープなしと比べてどう違うのか。根管治療におけるマイクロスコープの有用性についてまとめました。
①歯の根管の中でも隠された根管が見つけやすい
歯の根の治療には隠された根管(歯の神経の通り道)があります。隠された根管があるか無いかは人によって違います。手探りで行う保険の神経治療ではそのような隠された神経は見つけづらいですがマイクロスコープを使って見つけられる可能性は高くなります。
②歯髄残渣(神経の残りカス)が見つかりやすい
歯の神経を取る場合、次亜塩素酸ナトリウムと専用の器具を使って極力根管を無菌的状態にします。しかし神経の残りカスはかなりしつこく根管にこびりつき取りきれないこともあります。取り残された歯髄残渣は感染物になり根管病巣の再発になります。
③折れたファイル、リーマーが取りやすい
歯の神経治療では少なからず専用の器具(ファイル)が破折し根管の中に埋まってしまうことも臨床上起きます。この破折ファイルは手探りでは取り切ることはできずむしろ健全な根管壁を壊し歯の寿命を減らしてしまう恐れもあります。マイクロスコープを使って必要最低限の根管壁の除去量で破折ファイル除去率が上がります。
④根管の中の形態が把握しやすい
歯の形は人の顔の形と同じで10人いたら10人違います。歯科大時代に習ったいわゆる歯の根管の形は今では全く異なり実際にマイクロスコープでみることで根管の形を把握することができます。
少し難しい話でしたがまとめると残念ながら日本の保険治療で行った根管治療の再発率 50%
二本に一本がもう一度神経に病気が起こると言われています。根管治療においてマイクロスコープの治療はかなり成績が上がると言われてます。
当院では患者様の要望に応じて3種類の根管治療を行なっております。
①保険治療にて根管治療
②マイクロスコープにて当院にて根管治療6万
(ラバーダム防湿、MTAセメント、1時間以上の治療時間2回完結)
③根管治療専門医(アメリカの大学にて博士号)にて根管治療
今回は歯科用顕微鏡を使った根管治療についてお話しました。この治療を巷ではマイクロエンドと呼ばれています。覚えておいてくださいね。まだマイクロスコープは世に出て20年ほどになりますがこれからスタンダードな治療になると思われます。