ヴェリ歯科クリニック
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虫歯でないのに歯が痛い?その原因と対策

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こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。
歯が痛むと、多くの方は「虫歯かも」と考えがちです。しかし、レントゲン検査をしても虫歯がないと言われたり、冷たいものが染みないのに痛みを感じたりすることはありませんか?
実は、虫歯でなくても歯が痛む原因があるのです。この記事では、そんな痛みの原因と対策について詳しくお話しします。


歯髄炎になるメカニズム:虫歯ではないのになぜ痛む?

歯が痛む原因の一つに、「メカニカルストレス」が挙げられます。
メカニカルストレスとは、噛み合わせや歯ぎしりによって歯に過剰な力が加わり、歯の内部に負担がかかる状態を指します。このストレスが蓄積すると、歯髄(神経)に炎症が起きて痛みを引き起こします。上図は噛み合わせにより歯の神経が死んでいく機序になります。咬合のストレスを過剰に受けてしまうと歯髄の中にある圧力が上昇します。その結果、血管が圧迫され血栓ができ最終的に歯髄が死んでしまいます。歯髄が炎症を受けてしまうとなんとも言えない痛みが出てしまいそうなってしまうと神経を取らないと手遅れになってしまいます。


あなたはどのタイプ?歯に痛みが出やすい3つのタイプ

虫歯ではないのに歯が痛くなる方にはある特徴があります。ここでは大きく3タイプに分けてお話します。

  1. 歯を横に歯ぎしりして奥歯が擦れ合ってしまう方
    歯ぎしりによって奥歯が強く擦れ合い、歯や歯茎に負担がかかる方がいます。特に、左右に動かす際に特定の歯に干渉がある場合は注意が必要です。歯は垂直方向(縦に受ける力)には強いのですが側方力(横に受ける力)には弱いです。奥歯がギリギリ擦れ合う方は要注意です。奥歯の歯に負担がかかっている可能性があります。

   参考にこちらのブログへ

  1. 顎のずれで特定の歯が最初に当たる方
    噛み合わせの位置がズレると、一部の歯が最初に接触します。これを早期接触と言います。この状態が続くと、歯に過剰な負荷がかかります。どこで噛んでいるかわからない人やどこでも噛める人はこちらに該当します。顎は本来噛んでいる位置(中心位)と今かみやすいところで噛んでいる位置(咬頭嵌合位)がありこの差が大   きければ大きいほど顎にズレがあり噛み合わせに異常が来します。

  

中心位から咬頭嵌合位に顎や噛み合わせがシフトすることをセントリックスライドとも言います。中心位からのズレが多いほど噛み合わせに異常があったり、顎関節症のリスクがあります。歯の痛みが出ないよう噛み合わせのずれに注視する必要があります。

  1. 多くの歯が擦れている痕(咬耗)がある方
    歯がすり減ってフラットになっている場合、噛み合わせに問題がある可能性があります。噛み合わせが問題なくても常に噛む力が強いので歯が負けてしまい知覚過敏から歯の痛みに繋がることがあります。

悪い噛み合わせが引き起こすトラブル

知覚過敏やアブフラクション

歯の生え際に負荷がかかり、知覚過敏や歯の欠け(アブフラクション)が発生することがあります。
このような症状は、ただ知覚過敏用の薬を塗るだけでは改善しません。噛み合わせの調整が必要です。

歯の破折や神経の壊死

強いストレスがかかると、歯に亀裂(クラック)が生じることがあります。さらに、歯髄への圧力が高まると血流が阻害され、神経が壊死する可能性があります。日常生活支障があり頭痛や眼痛を引き起こすこともあります。

歯が割れてしまうとちょっとものを噛んだだけで激痛が走ります。そうならないためにも異常を察知したらすぐに歯医者さんで診察してみて下さい。


噛み合わせの痛み。早めの対策が大切

歯に痛みを感じたら、まず歯科医院で検査を受けましょう。虫歯がない場合でも、噛み合わせや歯ぎしりの影響を見逃さないことが重要です。適切な治療を行えば、歯の寿命を延ばすことが可能です。咬合調整をしたりマウスピースで歯への過剰な圧力を防いだりしていきます。場合によっては咬筋へのボトックス注射や矯正治療や咬合治療も有効です。

まずは保険治療でできることで痛みを緩和してみて、それでも根本的な解決が必要なこともあります。


まとめ

歯の痛みは、必ずしも虫歯だけが原因ではありません。噛み合わせや歯ぎしりによるメカニカルストレスが、知らないうちに歯に大きな負担をかけています。
早めの診断と治療で、健康な歯を維持しましょう。


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この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

 

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