歯の根の治療のやり直しは成功率69%以下?知っておきたい再根管治療のこと

Doctor holding and looking at dental x-ray

こんにちは、巣鴨ヴェリ歯科クリニックの田島です。

歯の神経を治療したことがある方は知っているとは思いますが、楊枝のようなものでグリグリされて、何度も歯科医院に通われましたよね。

歯の根の治療のことを根管治療(こんかんちりょう)と言います。

根管治療についてもっと詳しくはこちら

歯の内部に歯の神経のスペースがあり、そのスペースを消毒して清掃することです。

虫歯が進行して神経のスペースに近くなると根管治療が必要になってきます。

しかしこの根管治療が何年か後に再発してしまうことがあるのです。

原因は様々ですが、今回知っていただきたいことは二回目以降の根管治療ではしっかり治る確率が約6割以下に落ちてしまうのです。

さらに私たちが住む日本ではさらに完治率は低く約二本に一本の割合しか成功しません。

なぜこのようなことがおこるのかを今回はお話しします。

再根管治療(さいこんかんちりょう)

再根管治療とは一度治療した歯の神経が細菌に汚染され再度歯の根の治療することを言います。

様々なことが原因になりますが主に下のことが挙げられます。

①初回の歯の神経の治療がもともと上手く行っていない

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再根管治療のほとんどの原因はこれが原因です。

初回の歯の神経の治療がきっちり行えていないと最初は何も起こりませんが、年々経つにつれて菌が繁殖し歯の根元先端の方へ菌が集まります。

その結果、歯の根の先端に病巣がたまっていくのです。

数年は痛みなどはないのですが、レントゲンを撮影すると歯の根の先に黒い影として現れます。

その後、疲れた時や体調が良くない時、ストレスがある時や、お酒をたくさん飲んだ時などに歯茎が腫れる場合があります。

腫れる場所は歯から少し離れた歯の根に近い場所に出ます。指で押すとぷくぷく膨らんでるのがわかります。

腫れた歯茎をさらに押すと黄色い膿汁や出血が出てきます。

②歯の被せ物や土台がきっちり装着されていない

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被せ物(差し歯)や歯の内部に入れる土台(コア)がしっかり入っていないとその隙間から細菌が入ってしまう場合があります。

被せ物の隙間から細菌が流入して汚染されることをコロナルリッケージと言います。

神経の治療が上手く行っていなく差し歯がきっちり入っている歯

神経の治療が上手くいっていて差し歯があっていない歯を追跡調査した結果、

後者の方が根の病気になっている確率が多かった。

と言う研究論文もあるように差し歯や土台などもしっかり入っていないと細菌感染の原因になります。

③強い噛み合わせの力がその歯だけにかかってしまった

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強い噛み合わせが根管治療を行った歯に与えられた時、その歯にとてつもないストレスがかかります。

歯の神経を取った歯は内部が空洞になっているため神経がある歯に比べ割れやすくなります。

割れてしまう以外でも歯の根の部分に強い負荷が加わり、再感染が起こることがあります。

レントゲンを撮影すると根の先と歯の形状に沿って黒い影が写ります。

この画像はVシェイプと呼ばれていて歯に強いストレスがかかっていることがわかります。

④日頃の歯のケアやメンテナンスが上手く行き届いていない

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差し歯や土台がきっちり入り、根の治療が申し分なくてもお口の中の環境が悪ければリスクがなくなったとは言えません。

しっかりと日頃からクリーニングや定期検査をすることで歯が長持ちします。

また一年に一度レントゲンを撮影し、歯の根の状態がどうなっているか診てもらうこともお勧めします。

再根管治療はなぜ成功率が悪いのか

再根管治療(二回目以降の歯の根の治療)は必ず完治する訳ではありません。

ではなぜ一回目より治りが悪いのでしょう。

①すでに歯の根の形状が損なわれているから予後が悪い

初めて歯の神経を治療した時に前医または数年前の自分が根管形状(歯の神経の通路)を作ります。

その時点で的確な通路が作れなかった場合、様々な問題を起こします。

例えば歯に穴があいてしまった場合(パーフォレーション)

例えば根管に別の間違った通路を作ってしまった場合(トランスポーテーション)

例えば根管が根詰まりして器具が上手く入らない場合、入りすぎて大きい清掃器具(ファイル)が貫通してしまった場合(apical resorption)

このようなことが起きてしまうと二回目以降の治療では、別の新しい根管形状を作ることはとても難しいです。

根の治療は初回に綺麗な治療ができているかで予後が決まります。

②すでに歯の根の先に病巣があるため

まず神経の治療を行う場合は虫歯の進行によって現在生きている神経を取って殺菌するところから始まります。

つまりその時点では歯の神経はまだ新鮮な状態なのです。

新鮮な神経を殺菌して、清掃し、治療するので細菌が多く感染する割合は少ないです。

しかし二回目以降の再根管治療ではすでに感染がある状態からない状態にしないとなりません。

そのため初回よりも完治させる確率が減るのです。

①+②では成功率40%以下?

再根管治療のは歯を452歯対象にして二年間の予後調査を行った研究があります。

このリサーチから再治療では根管の形がなんらかの形で損なわれている場合では損なわれていないのに比べ成功率が低くなり(①)さらに根の先端に病気がある場合はさらに成功率が低下する(40%)という結果があります。(②)

根管形状維持グループ 根管形状破壊グループ
平均成功率 86% 48%
根の病気 あり 83% 40%
根の病気 なし 91% 84%

ちなみにこのリサーチはアメリカの根管治療のデータであって日本の成績ではありません。

日本の歯科医院では根の治療のほとんどが手探りの治療であり、またラバーダムという器具もすべての歯科医院では行っていません。

そのためアメリカのデータよりもさらに成功率が劣るのではないでしょうか。

まとめ

根の病気は一度なると再治療が難しくなること。

わかっていただけたでしょうか。

歯の根の治療には日本でも専門でやられている先生もいらっしゃいます。

もし質の良い治療を希望される場合は根管治療専門医での治療をお勧めします。

専門医での治療は海外の多くの国ではごく当たり前のことなんですよ。