肉食動物、草食動物の噛み合わせ。人間の噛み合わせはどっち?

こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

人間が物を噛んで飲み込む能力と、動物が咀嚼し飲み込む能力は、同じ哺乳類でも噛み合わせの仕方や構造が全く違います。

今回は肉食動物と草食動物に分けて動物の噛み合わせについてお話しします。

肉食動物の噛み合わせ

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肉食動物の噛み合わせの特徴として主に2つの特徴があります。

単純な開閉口運動

肉食動物は獲物を咀嚼するのに単純な上下的な噛み方(蝶番開閉口運動)だけを営みます。

この噛み方に適するために受け口である顎関節は合理的な形になっています。

噛み合わせの受け皿である下顎窩は人間より深く、大きく口を開けた場合でも顎が外れないよう筋肉で緊密に保護されています。

下の顎の高さは人間に比べ低く下の顎の骨の高さの半分くらいのところに親知らずの高さが設けられています。

また下の顎の骨頭は楕円形で蝶番開閉口に沿った関節形態をしています。

物を咀嚼する時によく使う咬筋は人間より発達していて、頭や口周りで筋肉がつきやすい形態をしています。

すべての歯が鋭い

ものを噛みちぎるのに特化した先鋭な歯の構造を有しています。

また各々の上下の歯の噛み合わせは交叉咬合といって上下の歯同士が入り組んで噛み合わせており、関節の受け皿である下顎窩は深くなっています。

犬歯は肉食動物にとっては最大のキーとなる部分です。

物を剪断し、ある程度細かくするのも犬歯に依存するので犬歯の働きによって咀嚼効率が左右されます。

肉食動物は人間と比べ歯列の湾曲がなく単純な咀嚼行動に適応した噛み合わせになります。

草食動物の噛み合わせ

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人間の奥歯のことをなんと呼ぶかご存知ですか。

大臼歯、小臼歯と呼ばれます。

臼はうすという意味で、ものをすりつぶす意味があります。

つまり草食動物が肉食動物と違う要素としては草食動物は常にすりつぶしの動作をしているのです。(臼磨運動)

  • 顎関節もそれに見合った形態をしていて下顎窩が肉食動物に比べ浅く、大きく口を開けることが少ないのが特徴にです。
  • 浅い下顎窩に下顎頭が入り自由に横への移動が可能です。(自由な側方運動)
  • 下顎頭は側方に陥凹した横長の形態をしていて、人間と同じくらいの高さがあり、これは肉食動物に比べると高くなっています。
  • 臼磨運動を得意とする草食動物の犬歯は丸みを帯びた切歯のようになり、中間の歯である小臼歯は奥歯の大臼歯に似た形態を持っています。
  • 臼状の歯を多く持っていることにより横への動きがスムーズになり前歯と奥歯の間にスペースを生じています。また顎の骨自体も草木を捕食するのにも長けています。
  • 草食動物の歯には著しい咬耗(歯が磨り減ること)がありますが、これを補うために噛み合わせの力を受けている歯の根っこの部分にはその後骨が添加して歯が保護されています。

人間のアゴ

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人間の顎の状態は肉食動物でもあり、草食動物の要素も取り込んでいるのです。

ちょうど両方のいいところを受け継いでいます。

奥歯の構成は草食動物の歯の形態に近い臼状の形態になっていて物をすりつぶして細かくするようにできています。

また前歯や犬歯の構成は肉食動物の歯に近い形態で、犬歯や他前歯に剪断能力(ものを噛みこむ)が備わっていて物を食べる時に噛みちぎるようできているのです。

人間の顎の関節は左右に飛び出た握りこぶしのような形で前後の長さは平均10mm、左右の長さは平均20〜25mm大の大きさになります。

前後的に見ると上が開いたおうぎ形の形をして、横から見ると小指が少し膨らんだ感じで見え、上から見ると外側の部分が前に突き出たように見えます。

顎関節(下顎頭)の上面は滑沢な軟骨でサポートされています。

上面から前面にかけては実際に口を開け閉めする時に使う部分ですので軟骨の量が非常に厚くなっています。軟骨は外側に行くにつれて厚みがなくなってきます。

人間の顎関節(下顎頭)の後ろにはスペースがあり関節円板(関節の間に介在する軟骨層)の後部がついていたり耳介側頭神経と呼ばれる耳につながる神経が密集しています。下顎頭の前にもスペースがありここには外側翼突筋と呼ばれる筋肉が付いており複雑な作りをしています。

まとめ

人間の顎、肉食動物の顎、草食動物の顎、それぞれ形は違いますがものを咀嚼し飲み込む作業は同じです。

肉食動物の場合は消化酵素や胃が強いのであまりものをすりつぶして食べることに適していません。対して草食動物は消化酵素や胃が肉食に比べ弱いのでなるべく食塊を小さくして吸収するよう作られています。

すべての動物は栄養源をどう効率よく摂取するかによってその体の形態が変わります。

人間はその進化の過程において雑食であり肉や魚だけでなく野菜、果物を摂取するようになりました。歯に置いても肉や魚が剪断できる前歯、そして消化しづらい草を擦り潰せるように奥歯が発達し、現在このような歯の形が作られたのです。

現代はファーストフードなどの柔らかい食生活、不規則な生活、ストレスの多い生活などでうまく歯の機能が生かされていない世の中ですが、しっかりした食生活を送ることで歯の形も今後劣化しないようにしたいものですね。