親知らずで前歯が寄ってきた?

376234こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

『昔は綺麗に並んでたのにいつの間にか下の前歯がでこぼこになってしまったな〜』なんて方いませんか。子供の時矯正をして綺麗に並んだのに大人になって少しずつ元のでこぼこに戻ったりした方いませんか。

せっかく綺麗に並んでた歯がでこぼこになってしまうのは悲しいことですよね。そんな時歯医者さんへ行くとこんなことを言われたことはないですか。

『親知らずが押してるから前歯がでこぼこになったんですよ。』

実はこれウソです。

横に生えている親知らずは一番奥の歯を押して、一番奥の歯は隣の歯を押して、、これがドミノ倒しのように前歯へ伝わり前歯がでこぼこになる・・・。

なんとなく連想できますよね。歯医者さんで今でもこのように説明してる方もいるんです。というのも親知らずが押して前歯が移動してしまうこと、最近まで立証できていなかったのです。

親知らずの押す力が前歯まで伝わることはありません!

では、親知らずの押す力はどこまで作用力があるのでしょうか?

親知らずのはえる力が伝わるのは隣の歯のみ。親知らずのはえる方向に力が作用するのはホントです。でははえる力によって隣の歯はどのような影響を受けるのでしょうか。

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親知らずの隣の歯が受ける影響

1. 外から吸収されなくなってくる。(外部吸収)

親知らずに限らず、歯は外側から持続的なストレスを受けると吸収されてしまうのです。

これは力を受けたエリアは炎症がおきたような状態になり、炎症性サイトカインと呼ばれる免疫が活発に働くエリアになります。

この免疫の中に骨を溶かしたり、歯を溶かす細胞があり(破骨細胞、破歯細胞)これらが活発に働くとストレスを受けた骨や歯が吸収されてなくなってしまうのです。

2. 親知らずの生える力で一番奥の歯は伸びる(挺出)

親知らずの生える力が隣の歯(第二大臼歯)に作用するのは事実ですが、第二大臼歯の隣には第一大臼歯が存在します。

この第一大臼歯が壁の役割をしてるので、逃げ場を失った第二大臼歯は活路がある方向に歯が生えてしまうのです。

一旦生えてしまうと噛み合わせが悪くなり咬合生外傷と呼ばれる病気になることがあります。

親知らずを抜歯しないで放っておくと隣の歯やその周辺の骨が溶け出してしまいます。

ようやく抜歯をしたとしても隣の歯(第二大臼歯)の奥サイドは骨がないため歯の根が露出して知覚過敏になったり、歯ブラシが当てにくく食べ物が詰まりやすいため歯周病になりやすくなります。

吸収される量が大きすぎると結局親知らずと第二大臼歯2本とも抜かざるを得なくなってしまうのです。

歯が伸びてしまった場合でも伸びてしまった第二大臼歯に干渉が強く起こって、最悪の場合歯が割れてしまうこともあるのです。

では親知らずが原因でなく以前と比べて前歯がでこぼこになる理由は何でしょうか?

親知らずが原因でなく、前歯がでこぼこになる理由

1. 舌を出したりする癖によるもの

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舌をベーっと出す癖がある方(舌突出癖)や舌を出したまま噛む癖のある方は要注意です。

舌の力によって前歯が移動してしまうことがあります。

2. 舌が常に上の歯、下の歯、あるいは両方の歯の裏側を無意識で押している人

これも悪い習癖の一つで、歯の裏側を持続的な力で押されると前歯が移動してしまうのであまりよくありません。

3. 噛み合わせが悪くなる人

被せ物の高さの設定が悪い、歯と歯の間に隙間ができている、歯ぎしりで歯が欠けてしまった・・・。

このような方達は親知らずではなくそれ以外の横の歯群が前の方へ倒れこむよう移動し、結果前歯をでこぼこにしてしまいます。

4. 矯正治療の後戻り

矯正治療経験のある方は十分な後戻り防止処置(保定)が必要になります。

保定が十分でない状態で装置を外したり、保定処置マウスピースをしなくなると元のでこぼこ状態に戻ってしまいます。

治療法

前歯がでこぼこになるには様々な要因があると言われてますが、一度ずれてしまったでこぼこの前歯が自然にまた元に戻ることはありません。

ですから治療としては再矯正治療になります。でこぼこの状況にもよりますが、でこぼこの程度が小さいければ小矯正という前歯だけ装置を付けるだけで治ります。

またマウスピース矯正だけで治ることもあります。

予防

  1. 前歯がでこぼこになる要因は人によって違いますが、それが舌による悪習癖によるものであったとするなら舌の位置を普段どこに置いておくべきか歯科医院で教えてもらいましょう。(spot)
  2. またタンガードと呼ばれる悪習癖防止装置をつけたりして舌がでないようにします。
  3. 原因が噛み合わせによる場合は原因の除去、治療を優先し状況によりマウスピースを作ってもらいましょう。
  4. 矯正治療の後戻りが原因の方は後戻り防止処置(保定)を十分にとりましょう。

最後に

前歯をでこぼこにすることが親知らずの影響でないと分かっても、親知らずが真っ直ぐは生えていないのであれば、抜歯をするに越したことはないのです。

百害あって一利なし!

みなさん!真っ直ぐは生えていない親知らずは抜歯しに行きましょうね。