ヴェリ歯科クリニック
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『カチカチ噛んでくださーい』って何やってるの?咬合紙の使い方

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こんにちは、ヴェリ歯科クリニック院長の田島です。

歯医者さんで治療をしている時に『カチカチ噛んでください』と言われたことがある方いらっしゃるかと思います。この、カチカチ噛むことにより何が分かるのかを少し掘り下げてお話ししたいと思います。

カチカチしてるもの

カチカチ噛んでいる色のついた紙のようなもの。一体なんでしょうか。
これは咬合紙といって噛んだところにカーボンのインクがつくことで噛み合わせでどこが当たっているのか当たっていないのかが分かるものです。

色は、主に青と赤の2種類を使用しており、用途に応じて使い分けています。

例えば、赤がカチカチ噛んだ状態(中心咬合位)に対して青が左か右でギリギリさせた時(偏心位)の状態を見比べて歯を調整する箇所を見極めます。

湿った状態の歯でもしっかり印記できるタイプ、唇や指に色がつき汚れてしまうことがないタイプ、フィルム製で何度か使用可能なタイプ、噛んだ圧により色の濃淡が出るタイプなど様々な種類の咬合紙が販売されています。

咬合紙を使う上で注意すること

咬合紙の厚さに注意

咬合紙には10μmから100μmくらいまでの厚さを持った咬合紙があります。

使うとき気をつけていただきたいのは最初のうちは厚い咬合紙で行ってもいいのですが、次第に薄い咬合紙で調整し最後は10μm前後の咬合の誤差まで調整した方が精度のいい噛み合わせが獲得できます。

もちろん最初のうちから薄い咬合紙を使用して調整する場合もあります。

患者さんの頭の位置と診療台の傾きで注意

噛み合わせを診るときに頭の位置によってそして診療台の角度によって噛み合わせが大きく影響を受けてしまいます。こんなときに噛み合わせが変わります。

1. 頭をおこした状態でカチカチ

頭を立てた状態は自然頭位という位置でこの状態は安定した適正な顎の位置が再現できます。

2. 治療台を水平にたおしてカチカチ

この状態で噛むと顎が後下方へ移動します。
これは歯、顎、筋肉、首まわりの重力によって顎が落ちてくる為です。
だいたい800μmくらい下がると言われています。

3. ヘッドレストを倒したときに上を向いてカチカチ

ヘッドレストを後ろに倒すことには問題はありません。
しかし、上を向いた状態だと顎のまわりの皮膚や筋肉が進展して顎を後ろに引っ張る可能性があります。
その為本来の位置より400μmくらい後ろで噛むことになります。

咬合紙で噛み合わせを診る時の姿勢

患者様の体の向きや頭の向きによって噛み合わせが影響を受けてしまうので、噛み合わせを咬合紙を使って診る場合は診療台を垂直にして頭をおこした状態で診るか、ヘッドレストや診療台の傾きを顎の正確な位置から影響を受けない程度に倒して噛み合わせを診ます。

だいたい背板を25°、ヘッドレストを35°くらいがいいと言われています。

もちろん患者さんの身長や体型、首の長さなどによって差があるのでそれらも考慮して調べます。

患者さんのアゴの状態を診査しているか差し歯を調整するかなどで姿勢や診察台の角度は異なります。

他に気をつけること

強く噛みしめたらNG

強く噛みしめた状態で噛み合わせを診ると顎が上方に力が入りすぎ、受け皿である関節円板が圧迫して平均350μm上方へずれてしまいます。

人によっては800μmのずれが出る人もいます。

緊張している状態はNG

緊張した状態でカチカチ噛んでみると顔口周りの表層筋肉、表情筋が緊張してそれが同調して下顎を後ろへ引っ張る場合もあります。

特に咬合紙を噛ませていく場合挿入した刺激に対する体の逃避反射として引っ張ることもあります。

これに対する対策としては、手指で唇に触れながら力を抜くよう促して診査します。

咬合紙の厚さって重要なの?

実は目と歯は発生の過程で同じ構造をしていて脳は1〜2ミクロンの厚さでも識別できてしまうのです。そしてそれらは内臓と深いつながりがあります。

噛み合わせの調整が厚い咬合紙だけで終わっていた場合、実はその噛み合わせとしてはあまりいい精度とは言えません。

被せ物や詰め物は低くなると違和感がなくなり快適になりますが、そのギャップが後々噛み合わせに影響していきます。

結果、他の歯の負担が強くなったり、全体的に噛み合わせが低くなりがちです。

噛み合わせというのは高すぎても低すぎてもダメということですね。

まとめ

咬合紙の使い道は一本の被せ物の製作から、被せ物の隣の歯との間隔調節、全体的な噛み合わせの診断、噛み合わせの総合的な治療まで多岐にわたって使用されます。

咬合紙によって印記された歯を我々歯医者が調整したり、印記された咬合紙の状態を光に投下させて見ながら調整します。

噛み合わせを診るときになくてはならない存在、咬合紙。

なんとなく知っていただけたでしょうか。

『カチカチ噛んでください。』

噛み合わせの調整に時間をかけている歯医者さんは実はしっかりと噛み合わせのことを考えているんですよ。以上咬合紙についてのお話でした。

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